研究紹介(市野教授)

「光半導体工学研究室」

教員:教授 市野邦男,准教授 阿部友紀,助教 赤岩和明

光半導体工学研究室は,固体電子工学研究室,電子材料工学研究室に所属していた市野と,光エレクトロニクス工学研究室に所属していた阿部が一緒になって,2014年に立ち上げた研究室で,その名の通り発光・受光に関わる半導体やデバイスの研究を行っています.

以下,現在のいくつかの研究テーマについて説明します.

 

1. 高効率太陽電池の研究

太陽光発電では発電コストの低減が望まれています.それには,製造コスト削減の他に太陽光から電力への変換効率の向上が有効です.太陽電池では通常,変換効率には理論的な限界がありますが,複数種の半導体からなる太陽電池を積層することで高効率化できることが知られています.

本研究室では,下段には既存のシリコン結晶太陽電池を用い,この上に重ねる太陽電池を開発することで,高効率・低コストを両立する太陽電池の開発を目指しています.

2. ZnS系半導体のp型化と光デバイスの作製

ZnS(硫化亜鉛)は,本研究室でこれまで一貫して研究してきた硫化物半導体で,バンドギャップは3.7eVと大きく,紫外光から可視光の発光に適しています.しかし,半導体としては,基本となるp,nの伝導型のうちp型がこれまで得られず,実際には応用されていませんでした.

本研究室ではこれまでに,ZnSに少量のTe(テルル)を混ぜ,そこにアクセプタとなるN(窒素)を添加することでp型化を実現し,またpn接合の発光ダイオード(LED)動作を確認しました.この成果をベースとして,応用の一つとして緑色LEDを目指してさらに研究を進めています.

3. 高感度集積型紫外センサーの開発

現在,次世代高性能PET装置等の医療機器のほか,火炎センサー,次世代光ディスクなどに,高性能紫外線センサーの開発が求められています.そこで,本研究室では高感度集積型紫外線センサーの開発を行っています.

この紫外線センサーの構造は,有機-無機ハイブリッド構造になっており,無機層は超高真空中で結晶成長を行う分子線エピタキシー法で作製し,有機層はスピンコート法とフォトリソグラフィーを用いて作製します.

現在,80%以上の効率,3000倍以上の光信号増幅,500時間以上の動作を実現しており,10素子の集積化にも成功しています.

4. 最後に,酸化亜鉛のp型化と光デバイスの作製

現在,世界では白色照明,殺菌・浄水,医療分野などへの応用を目指して,紫外線LED材料の開発が進められています.本研究室では,ワイドギャップ半導体である酸化亜鉛(ZnO)のp型伝導制御とLED応用に関する研究を行っています.

プラズマ酸素ガスを使用した分子線エピタキシー法により,サファイア基板上にp型酸化亜鉛を作製することに成功しており,LEDの実用化に必要となる正孔濃度(1018cm-3)を実現しています.現在,このp型酸化亜鉛を利用してLEDの開発を進めています.

 

問合せ先:

光半導体工学研究室HP:https://hikari.eecs.tottori-u.ac.jp/

市野メールアドレス:ichino at* tottori-u.ac.jp

*atを@に入れ替えてください.

 

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