研究紹介(笹岡教授)

「情報通信工学研究室」

教授 笹岡直人

情報通信工学研究室は,副井裕先生,伊藤良生先生から引き継いだ研究室です.現在,教授1名,博士後期課程学生(留学生)1名,博士前期課程学生7名,博士前期課程研究生(留学生)1名,学部4年生5名の研究室です.ディジタル信号処理技術を基礎として,音声・音響信号処理,電波の応用,無線通信システムなどの研究に取り組んでいます.

今回は主に電波応用分野と音響信号処理分野の紹介をします.まずは,電波を利用する非破壊果実糖度測定です.梨などの果物の糖度を収穫する前に測定することができれば,出荷時期をコントロールすることができます.そこで,無線LANシステムが通信を行う際,周囲の無線伝搬特性を測定していることを利用します.送受信機の間に果物を置くと,果物の内部状態により無線伝搬路が変化します.その変化を機械学習で読み取ることにより糖度を推定することが可能となります.現在,果実糖分の主成分であるショ糖の水溶液を使った実験では有効性が確認されています.今後も検討をつづけ,簡便なシステムでの実用化を目指していきます.

次に,騒音を逆位相同振幅の騒音で相殺するアクティブノイズコントロール(ANC)です.ANCは,イヤホンなどのノイズキャンセリングとして実用化されていますが,広く反射の多い室内などでは実現が困難でした.もしANCが室内で実現されると,部屋を壁なしで音響的に仕切ることが可能となり,人が多い空間でも密談が可能になります.従来の音響伝搬モデルでは対応困難であるため,現在,音響伝搬モデルを再構築し,それに合わせたANCシステムを提案,検討しているところです.

その他,ドップラーレーダを用いて非接触で心拍を検出するシステムの研究もしています.これは,雑音に埋もれた振動成分を推定する技術を応用したものです.騒音や振動に関すること,何らかの成分を信号から推定したいなどの要望があれば,お気軽にお問い合わせください.

 

情報通信工学研究室HP:

http://labs.eecs.tottori-u.ac.jp/ice/

 

笹岡直人メールアドレス:

sasaoka at* tottori-u.ac.jp

*atを@に入れ替えてください.

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