第10回コラム

テニスへのお誘い

岸田 悟  昭和46年度入学,電子工学科

65歳で鳥取大学を退職して,その後,工学部・非常勤講師5年間を務めました。研究テーマの一つであるニューラル・ネットワーク(神経回路網学)によれば,「心身共に健やかで事故などが無ければ,120歳くらいまで生きることができる」と言われており,私の場合には残り五十年は生きることになり,何をするのかが問題となります。「フレイル」という言葉を目にされたことがあるのではないでしょうか。「フレイル:医学用語frailty(フレイルティ)の日本語訳」は,「病気ではないけれど,年齢とともに,筋力や心身の活力が低下し,介護が必要になりやすい,健康と要介護の間の虚弱な状態のこと」と記載されております。さらに,フレイルの原因は栄養不足・運動不足・社会参加の不足などとされております。この「フレイル」を避けるためには,自分の好きなスポーツを行って「心身の健康」を維持する必要があります。簡単に言えば,「好きなスポーツをして身体を動かし,良く寝て,よく食べること」なのでしょうか。私の身近な高齢者は,テニス(硬式),ゴルフ,グランド・ゴルフや卓球(ラージボール)などを楽しみつつ,とても元気に過ごしていらっしゃいます。

現在,私は71歳になりますが,5年前から鳥取の○○シニアテニスクラブに所属して週に2回,テニスを楽しんでおります。このテニスクラブの最高齢者は90歳近くで,70歳以上は約30名で,65~70歳の会員は5~7名です。テニスの練習会に参加した会員は自分の体調に合わせて練習時間や練習相手を選んでテニスを楽しんでいらっしゃいます。そして,休息時には,テニスの技術指導,地域の社会問題,高齢者の健康などに関して情報交換をしております。特に,退職者の人の集まりですから,気遣い不要の無礼講ですね。とは言え,練習に参加するにあたり最低限のマナーとして以下の4点,①挨拶,②「はい」返事,③後始末,④感謝を遵守するように心がけております。これは,私の愛読書[「若き友への人生論」森信三,致知出版,ISBN978-4-8009-1097-4, C0095]の受け売りです(笑)。

今後の日本では,退職した後で最も重要なことは「心身共に健やかに過ごすこと」ですね。そのためには,スポーツ,特にテニスをすることをお勧めします。テニスは,高齢者にとっても激しいスポーツのように思いがちですが,硬式のテニスボールはよく飛び跳ねるので,基礎さえ,ラケットにさえ当たれば、どのようなラケットの振り方でも,男女に関係なく,年齢に関係なく,楽しむことができます。ただし,高齢者は特に「腰」,「手・足の関節」「手・足首」等を痛めることがありますので,無理のない程度にやることが大事です。

鳥取大学(湖山キャンパス)では,私の学生の頃はクレイコート(一部はバレーボールコートと兼用)でしたが,現在は人工芝の12面です。人工芝は多少の雨でも試合ができ,積雪してもコート内の雪を取り除けばテニスをすることができます。鳥取県や鳥取市を訪れる機会がありましたら,ラケットを持ってお立ち寄りください。

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